11/19/2009

ロリータ③

 くどいが、もう一回、ロリコンについて書く。
 あれからいろいろ考えた。考えた末に、ロリコンを三つのタイプに分けられるのではないか、という結論に落ち着いた。
 ①「真性ロリコン」②「擬性ロリコン」③「仮性ロリコン」である。
 ①「真性ロリコン」については、これはもうそのまま、である。とにかく思春期以前の少女にのみ積極的欲望を覚えるタイプ。「ロリータ」のハンバートは、成熟した女性とも性的交渉を持ちえたが、彼の場合は美学的・意志的真性ロリコンと呼べるかもしれない。
 ②「擬性ロリコン」。一見、ロリコンのように見えるがロリコンではない。肉体的特徴から言えば、思春期以後の少女、というか女性に欲望が向かうタイプ。では、なぜ、擬性とはいえロリコンと呼べるかと言うと、たとえば顔立ちが童顔、あるいは仕種・服装が幼いなど、少女を連想させるような外見的特徴に欲望が向かうからだ。こう考えると、ロリコンと分類されるようなHなサイトのキャラクターとか、男性誌に登場する美少女像の多くが、真性ロリコンのフィールドから大きく逸脱する。コスチューム、童顔、しゃべり口調はともかく、肉体的には成熟しているわけだから、そのギャップに魅かれているだけなわけで、きわめて健全である(でしょ?でもないか?)。で、ほとんどの「ロリコン」と呼ばれる人たちは、このカテゴリーに属するのではなかろうか。安心してファンタジーを楽しみたまえ。
 ③「仮性ロリコン」。これがなかなか難物。意外と一番危険なのはこのタイプではないか。何よりも真性と仮性を隔てるのは、「少女」という概念に対するその愛の深さであろう。仮性ロリコンは、いろいろなコンプレックスを解決できぬまま抱え込み、それゆえに弱者としての少女に対して欲望が向かう存在、と僕は定義する。もちろん、仮性とはいえロリコンだから、ハンバートの言う「ニンフェット」へのベクトルもあろう、しかし病んだ部分を取り除けば、大人の女性へとエロスが流れるようなロリコンである。
 「ロリータ」の話だが、ハンバートは、母を亡くしたロリータと、あちこちを車でさまようのだが、このあたりから小説は、その悪魔的な求心力を失っていく。少女偏愛の話から、もっと普遍的な愛の物語になるからだ。それに気づかぬハンバートを、ロリータが捨てたのも無理はない。ロリータはすでにニンフェットではなく、男を愛するひとりの女に化身していたのだった。

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